2009-02-08

Eglise Saint Roch~芸術家の教会~

パリ1区のサントノレ通り。Saint-Roch(サン・ロック教会)です。えっ?サントノレ通りの何処にあるの?と見落としてしまいがちなこちらの教会。場所はセレクトショップ、Coletteの斜め前といったところでしょうか。中に入ると全長126mと、左岸のサン・シュルピス教会に匹敵する右岸の代表的な教会なのですが、華やかなサントノレ通りの街並に隠されてひっそりと佇んでいます。1653年にルイ14世によって礎石が置かれ、ソルボンヌ大学の設計者、Jacques Lemercier(ジャック・ルメルシエ)によって設計されたのがサン・ロック教会の始まりです。因みにサン・ロックとはイタリアでペスト患者を助けた聖人ロックに因んで。
中に入ってみると教会内には多くの美しい宗教画が。フランス革命時にサン・ロック教会は芸術品・装飾品の全てを奪われてしまい、パリ市は破壊された他の教会から絵画や彫刻を集めたため、今では宗教美術館と呼ばれているぐらい、貴重な18~19世紀の重要文化財となる作品が見られる教会となっているんです。


また数多くの文学作品にも登場するサン・ロック教会。例えば、イギリス人作家バロネス・オルツィ著の “Scarlet Pimpernel”(スカーレット・ピンパーネル)にも登場。コメディフランセーズの女優マルグリート・サンジュストとイギリスを代表する貴族、パーシー・ブレイクニーが結婚式をあげる教会として描かれています。

最近この教会が有名になったのはここでYves Saint Laurentのお葬式行われたことから。
過去には、17世紀の劇作家Corneille(コルネイユ)、テュイルリー公園やヴェルサイユ宮殿のフランス式庭園スタイルを確立した造園家Le Nôtre(ルノートル)、啓蒙思想の作家・哲学者Diderot(ディドロ)らが埋葬されています。

芸術作品を収集し、多くのアーティストたちが眠るこの教会は、まさしく芸術家の教会という名が相応しいのです。