2009-04-18

Merci d'être surprenant !





毎日ステキなコトが起る春です。
小さい喜びから、思いがけない人との出会いまで。
そんな最近ハマッてしまた私的ツボモノをご紹介。

・友達がマルシェで買ってくれたグリーン×淡いピンクのバラ
・Hermesの季刊誌
・Mariage Freresの690 "Nerada"
・アーティストのフィリップ・スタルク
・彼のピカピカベントレー (笑)

Thanks for being amazing!

2009-04-13







お次はセーヌを渡って右岸マレ地区へ。
お気に入りのスウェーデン文化会館のカフェへ。
カルナバレ美術館のすぐ裏なのですが、
のんびりと北欧デザインの空間で一休みできるオススメ場所です。
今週はイースターで、フランスではチョコレートを贈りあう習慣があります。思いがけずラデュレのレース編みのチョコを頂きました。勿体無くて食べられない、ずっととっておきたいそんな素敵な卵です。

パリの春



6区の街角にこんなに素敵な桜の木々が。
少し色の濃い桜ですが、パリでお花見が出来る貴重な公園。
石のベンチは本を開いた形になっています。
パリ左岸、文学の香りがします。
少し先にはライラックに囲まれたヴォルテールの銅像が。
すっかり春です。

2009-03-31

美食を求めて車を走らせてしまうアナタへ



3月上旬に今年のミシュランが発売されました。何かと論争の的になってきたこの美食ガイドも今年で記念すべき100冊目。そんな特別な年を祝うべく、ミシュランの表紙を100人のアーティストに描いてもらったという展覧会がオルセー美術館にて祝賀会と共に開催されました!回廊に設置されたウィンドウには、アーティストが各三ツ星シェフに贈る形で表紙を作ったという作品が展示され、ビュッフェからつまみ食いをしながら閲覧すると言うパーティー。このビュッフェは勿論ルノートルが担当。料理界の巨匠が残した弟子たちが皆大忙しにグルメたちに対応していました。そして流石のミシュラン。料理界のG8のようなモノです!左を見ても右を見ても有名シェフだらけ!!しかしコック帽ではなくスーツ姿のシェフたち、誰だっけ?と思うこともしばしば。。。やはり正装は厨房ルックじゃないとね。お話できたのはジョエル・ロブションにピエール・ガニエール。今年三ツ星昇格のル・ブリストルのエリック・フレションは報道陣に囲まれ流石に近づけず。そしてヤニック・アレノで眼福。賛否両論のミシュランですが、伝統と革新を上手く融合させて、今も尚世界中で美食の一基準となっているのは流石の一言。何はともあれ銀座のロオジエと恵比寿のロビュションが三ツ星をキープしたのは嬉しいコトです。因みに京都がミシュランを断ったのはとても誇らしい。京都の組合の絆の強さや、一見さんには解らない料亭の奥深さ、迎え水も解って欲しい。日本料理の素晴らしさはまだまだ世界に伝えきれていない!やはり文化は発見されるのではなく、発信していくものだなっと痛感しました。

2009-02-08

Eglise Saint Roch~芸術家の教会~

パリ1区のサントノレ通り。Saint-Roch(サン・ロック教会)です。えっ?サントノレ通りの何処にあるの?と見落としてしまいがちなこちらの教会。場所はセレクトショップ、Coletteの斜め前といったところでしょうか。中に入ると全長126mと、左岸のサン・シュルピス教会に匹敵する右岸の代表的な教会なのですが、華やかなサントノレ通りの街並に隠されてひっそりと佇んでいます。1653年にルイ14世によって礎石が置かれ、ソルボンヌ大学の設計者、Jacques Lemercier(ジャック・ルメルシエ)によって設計されたのがサン・ロック教会の始まりです。因みにサン・ロックとはイタリアでペスト患者を助けた聖人ロックに因んで。
中に入ってみると教会内には多くの美しい宗教画が。フランス革命時にサン・ロック教会は芸術品・装飾品の全てを奪われてしまい、パリ市は破壊された他の教会から絵画や彫刻を集めたため、今では宗教美術館と呼ばれているぐらい、貴重な18~19世紀の重要文化財となる作品が見られる教会となっているんです。


また数多くの文学作品にも登場するサン・ロック教会。例えば、イギリス人作家バロネス・オルツィ著の “Scarlet Pimpernel”(スカーレット・ピンパーネル)にも登場。コメディフランセーズの女優マルグリート・サンジュストとイギリスを代表する貴族、パーシー・ブレイクニーが結婚式をあげる教会として描かれています。

最近この教会が有名になったのはここでYves Saint Laurentのお葬式行われたことから。
過去には、17世紀の劇作家Corneille(コルネイユ)、テュイルリー公園やヴェルサイユ宮殿のフランス式庭園スタイルを確立した造園家Le Nôtre(ルノートル)、啓蒙思想の作家・哲学者Diderot(ディドロ)らが埋葬されています。

芸術作品を収集し、多くのアーティストたちが眠るこの教会は、まさしく芸術家の教会という名が相応しいのです。




2009-01-29

シャンゼリゼ劇場に通う


パリオペラ座、シャトレ座、プレイエル、ガヴォー、シャンゼリゼ劇場と、コンサートホールが溢れる芸術の都パリ。学生がお手頃価格で一流の音色を楽しめるのもパリならではのリュックス。数ある劇場の中でもオススメはやはりシャンゼリゼ劇場(Théâtre des Champs-Elysées)。高級ブランドが集うモンテーニュ通りに位置する華やかな場所だけあって、プログラムも一流です。プログラム売りのお兄さんに、少しスノッブな客層、幕間のアイスクリーム売りのマダム。昔から変わらない独特の雰囲気が漂う劇場なのです。協賛しているシャンパンが王者のRuinartなのも流石。
さてさてこのオシャレで高級感溢れる劇場、お気軽に楽しめる価格設定が魅力の一つです。先日は5ユーロで世界のテノール、ヴィラゾンとバリトン、ターフェルを観劇。席は天井席で立見同然。お値段もさることながら、こっそりと天井裏から覗いている感が結構ツボになってしまいます。その2日後には世界のピアニスト、キーシンを鑑賞。素晴らしいショパンの演奏に酔いしれた夜でした。アンコールでは2階から投げられたブーケが散らばり、スタインウェイの上にバラが降って来ました。はにかむキーシン氏が微笑ましく、観客のレベルが高いパリでのスタンディングオベーションでこの日は幕を閉じました。小さな劇場には拘りのある客層が集まるものです。隣の人たちと音楽トークに花を咲かせるのも楽しみの一つ。しっかりと計画さえすれば(チケットは全てシーズンが始まる9月1日発売なので事前にチェック!)世界の音楽を肌で感じられるこの環境に、パリの魅力を再確認出来ます。

2009-01-09

巨匠


昨日フランス美食界の巨匠がこの世を去りました。


Gaston Lenôtreは1957年に自分の名前でもある"Lenôtre"をパリ16区にオープンします。戦時中には味わえなかった、マーガリンの味と香りとは格段に違う“バター風味”のフランス菓子を作ることでルノートルは瞬く間にパリジャンの舌を虜にしました。高級ケータリングも開始し、ヴェルサイユ宮殿での晩餐会や、パーティーではルノートルのビュッフェがお約束に。明日のシェフを育てるべく、自分の知識や技術を後輩たちに伝える努力を惜しまなかったルノートル氏は大勢のパティシェに慕わました。洋菓子界の風雲児ピエール・エルメは“毎日必ず、ルノートル氏に学んだ事を思い出す”と、コメントを発表。そんなルノートル氏の座右の銘は“甘い”と思いきや、“重量、寸法、正確さ”と厳格なモノ。製菓では、デザインや創造性は二の次である、と基礎の重要性をしっかりと後継者たちに伝えています。


私の幼少時の想い出の味はLenôtreのお菓子たち。週末になると車でパンやお菓子を探しに、夏になるとマンゴーとフランボワーズのソルベを楽しみにガラスを覗いては、口に広がる甘酸っぱい香りを味わうのがお決まり。初めてパリで受講した製菓教室もLenôtre。そして一度だけ、教室に訪れたルノートル氏と握手する機会に恵まれました。それはお菓子が大好きな生徒たちの奮闘振りを見学しに、杖をつきながら奥様に支えられて現れた時のコト。一人一人と握手されました。教室の先生はルノートル氏が退室された後に一言。“こうやって見に来てくださる度に感激してしまう。一番の励みになるんだ。素晴らしい方なんだ。”


あの時のしっかり握った手に穏やかな眼差し。まるで、しっかりと守られた基礎と味がもたらす幸福感のよう。それは美食を愛する、人間を愛する、優しいルノートル氏の創リ出した数々のお菓子たちそのものなのです。